• ジブリッシュが心をひらく!
  • Fさん(40代)
ばあちゃんの心を開いた、ジブリッシュというすんごい魔法!

ばあちゃんは当時90代後半。物忘れもほとんどなく、家族いちの物知り。腰は曲がってるけど足腰も元気で庭の手入れが日課。おしゃべり大好き、歌も大好き、病気とは一切縁のなかった、そんな元気そのもののばあちゃんが、突然倒れました。
病名は左中大脳動脈梗塞。体の右側にマヒが残り、言葉もうまく話せない、聞いても理解がきなくなる症状があらわれました。
この日以来ばあちゃんは、こっちが何を話しているかわかっていても、「ま」「め」「か」の三つの言葉しか発せなくなりました。まるで「殺してくれ」と叫ぶかのようなばあちゃん。
あれだけ元気だったのにまったく動ない。相手が話していることは理解できるのに、必死に話しても相手にまったく伝わらない苦痛。ばあちゃんはずっと叫び続けました。

ばあちゃんの言葉を理解してあげられない、家族の苦痛・・・・
まくしたてるように話すばあちゃん。でも何を言いたいのか、家族はまったく理解できない。
泣き叫ぶばあちゃんの様子に家族も暗い気持ちになっていきました。どうすればいいのか、ここで閃いたのがジブリッシュ。ジブリッシュでばあちゃんと接してみることにしました。

言葉に頼らずに感情だけを受け入れるジブリッシュ。

ジブリッシュの脳みそでばあちゃんの思いを聴く。思考を取っ払って、ばあちゃんが発する言葉をそのままうけいれる・・・・・

言葉には意味がないから、相手の表情や感情を自分のアンテナをフルに使って受容する。
すると、「なにを言ってるのかわからない」けど、「なにを思っているのか」がなんとなくわかってくるようになりました。そして逆もしかり。聞き手が自分の「言葉の意味」ではなく、自分の「思い」に寄り添ってくれることで、話し手は「わかってくれているんだ」「ここにいてもいいんだ」という安心を感じることができます。これは、ジブリッシュのセミナーで私自身が実感したことでもあり、ばあちゃんも同じ安心を感じてくれるのではないか、という確信に近い予感がありました。

そして、ばあちゃんと家族に変化が!
ジブリッシュをコミュニケーションに活用するようになって、ばあちゃんの様子は徐々に変化していきました。安心を感じるようになったのか、叫ぶことは少なくなり、笑顔が見られるようになりました。それと同時に、家族にも変化が現れはじめました。ばあちゃんの意味不明な言葉に惑わされるのではなく、ばあちゃんの感情そのものにフォーカスをあてることで、以前よりも意思の疎通が取りやすくなり、家族のストレスも軽減されました。

そして令和3年の夏。ばあちゃんは103歳で亡くなりました。
しゃべれなくなってから実に5年。コロナ禍のなかで面会もままならない状況でしたが、リモート越しに見る祖母の顔は、最後まで安らかでした。ずっと家族の幸せを祈ってくれたばあちゃんに、心からのありがとうを毎日伝えています。